乳幼児突然死症候群(SIDS:Sudden Infant Death Syndrome)は、それまで元気だった赤ちゃんが、事故や窒息ではなく眠っている間に突然死亡してしまう病気です。
発症は年々減少傾向にはありますが、平成21年には全国で157人の赤ちゃんがこの病気で亡くなっており、乳児(0歳)の死亡原因の第3位となっています。
発症原因はまだ分かっていません。しかし、以下に示す3点に留意すれば、発症率が低下すると研究で明らかになっています。
対策強化月間を開始した平成11年度以降、この病気で亡くなる赤ちゃんの人数は半数以下に減少しています。

乳幼児突然死症候群(SIDS)発症の危険性を低くするための留意
(平成9年度厚生省心身障害研究 主任研究者:田中 哲郎)
(A)うつぶせ寝は避ける。
うつぶせ寝が、あおむけ寝に比べてSIDSの発症率が高いという研究結果がでています。医学上の理由で必要なとき以外は、赤ちゃんの顔が見えるあおむけ
に寝かせるようにしましょう。また、赤ちゃんをなるべく一人にしないことや、寝かせ方に対する配慮をすることは、窒息や誤飲、けがなどの事故を未然に防ぐ
ことになります。
(B)たばこはやめる。
両親が喫煙する場合、両親が喫煙しない場合よりSIDSの発症率が高くなるというデータがあります。妊婦自身が禁煙することはもちろん、妊婦や赤ちゃんのそばでの喫煙も避けるよう、身近な人の協力が必要です。
(C)できるだけ母乳で育てる。
母乳による育児が赤ちゃんにとって望ましいことは良く知られています。母乳で育てられている赤ちゃんは、人工乳で育てられている赤ちゃんと比べて
SIDSの発症率が低いといわれています。人工乳がSIDSを引き起こすわけではありませんが、できるだけ母乳で育てるようにしましょう。
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